
神戸大学医学部は創設以来昭和40年代に至るまで、人体解剖学実習に供するご遺体は充足していましたが、昭和40年代に入って医大の新設ラッシュを迎えるようになり、また学生定員も80名から100名に、さらに120名にと増やされるに及んで、他の大学と同じくご遺体の不足をきたすようになりました。
このため篤志家を集めたグループが出来ましたが、その数が130名あまりになった時点で「神戸大学のじぎく会」が結成されました。1975(昭和50)年6月のことでありました。結成当時の会長は大畑忠太郎氏、副会長は人位秀男氏でした。以後会員は毎年少しずつ増加していましたが、1982(昭和57)年から1983(昭和58)年にかけて急激に増加するようになりました。これは会の運営が軌道に乗り始め会員獲得運動が活発になったこと、献体法が制定されたこと、献体者に対して文部大臣の表彰などが始まったこと、献体の精神がようやく社会に受け入れられるようになったこと等によると思われます。この頃の会長は人位秀男氏でした。
発会式の様子 S50.6.29 医学部第2講堂にて
多くの献体賛同者が集まっている様子がわかる
発会式 式次第 S50.6.29 医学部第2講堂にて
のじぎく会設立の趣旨説明や会則案の審議が行われた初代会長 故 大畑忠三郎 氏
S51.5.29 第2回総会にてご挨拶の様子二代目会長 故 人位秀男 氏
S55.5.25 第6回総会にてご挨拶の様子
その後も新規登録者数は増え続けたのですが、今度は全国的な医学部生の定員削減などもあり、都市部における献体数の過剰が問題となり、のじぎく会三代目会長 豊田喜唯氏のもと、会の目的は「会員の獲得」から「会員の相互親睦と健康の維持」に変更されました。また同時に平成元年度からのじぎく会の年間新規登録者を先着200名に限定するとともに、従来まで受入れていた登録会員以外の献体をお断りすることになりました。さらに平成9年より予備登録制度を導入しながら、新規登録者数を年間50名に限定しました。これ以降ののじぎく会会長は、1998(平成10)年10月から2005(平成17)年3月まで田中登美子氏が第四代目を務め、医学部構内に「献体の碑」を建立しました。2005(平成17)年4月から2008(平成20)年3月まで稲田邦夫氏が第五代目を務め、ついで2008(平成20)年4月から2010(平成22)年3月まで西川保子氏が第六代目を引き継ぎ、2010(平成22)年4月から松本允男氏が第七代目会長を務めました。以上のように昭和50年の創設から平成が終わりを告げるまでの44年間、会員有志から選ばれた7名の歴代会長と数多くの役員の方々によって会の運営が支えられてきましたが、時は超高齢化時代、令和に移るタイミングでのじぎく会の運営方針が変更となりました。のじぎく通信の編集・発行やのじぎく総会の開催についてはこれまで通り続けていきますので、今後とものじぎく会をよろしくお願い申し上げます。
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最終更新日 2020/6/10